地図読みでは、先ずピークを認識することが重要です。等高線からピークを見つけ出し、ピークを基本にして外側に向かって等高線が張り出しているのが尾根です。逆に、谷は等高線がピークに向かって食い込んでおり、正に尾根と谷は表裏一体の関係にあります。
そこでちょっとだけ今回は、「5分間でわかる地形図上での尾根と谷の判別」について述べてみます。
☞ 地形図から水線を見つけることで谷を見分けることができる
等高線が10mごとに引かれている図1の1/25,000地図の一部を見て、どれが尾根でどれが谷(沢)かを短時間で判別することは難しいです。尾根も谷も形状はさまざまであり、どれ一つとして同じものはありません。唯一、この地図で手がかりとなるのは、左下にわずかに示してある青色の水線(青色矢印箇所)です。地図上で青色の水線を辿って行くと必ずその先には谷があります。その谷では等高線がピークに向かって食い込んでいます。水線を見つけることは、地図上で谷を探す最も簡略的な方法です。
☞ 地形図からピークを見つけることが基本
尾根と谷を正確に判別するためには、どうすれば良いのでしょうか?基本はピークを見つけることです。図2は同じ地図でピークを表示したものです。610mのピークから俯瞰するように地図を見てみましょう。
そうすると、等高線がピークから張り出している尾根(赤色点線)と、等高線がピークに向かって食い込んでいる谷(紫色点線)とを判別することができます。
図2の地図を見て分かるように、尾根があればその横には谷があります。その谷の横にはまた尾根があります。尾根と谷は交互に競うようにして存在しています。では、尾根と谷でどちらが先にこのような地形になったのかというと、どうやら谷らしいです。
それはともかく、尾根も谷も等高線の形状はさまざまですので、それらの形状をもっていずれかを判別することはできません。つまり、形状は基準とはならないということです。やはりピークの位置を見つけることが基本となります。 (記佐藤拓夫)