Dランク

北アルプス 唐松岳~祖母谷温泉

《8月度会山行 Dランク》  唐松岳~祖母谷温泉

日 程・2017年8月28日~30日 曇り

参加者・6名(L467)

コース・

28日・千葉駅6:38(あずさ3号)-白馬11:27(タクシー)-八方ゴンドラ駅11:50-八方池山荘12:15/40…八方池ケルン13:40…丸山ケルン15:10…唐松岳頂上山荘16:05/25…唐松岳…唐松岳頂上山荘17:00(泊)

29日・山荘5:55…大黒銅山跡8:30…餓鬼山10:10…避難小屋11:15/50…餓鬼ノ田圃12:40

…南越峠…南越沢出合14:50…祖母谷登山口16:30…祖母谷温泉16:40(泊)

30日・祖母谷温泉8:00…欅平8:40/9:16-トロッコ電車-宇奈月10:38(解散)

■唐松岳から祖母谷へのロングコースは聞きしに勝る難路だった。前夜夕食後に「我々6名と新ハイ3人組」に対し、山荘責任者からコースの詳しい説明を受けた。始まりは山荘直下、唐松岳の南側急斜面のガレ場を鎖頼りの果てしないトラバース、途中で新ハイ3人組みに軽く追い越される。左下の険谷の向こうに五竜の山肌が豪快に立ちはだかっているが景色を愛でる余裕は無い。やがて樹林帯を過ぎ最初のポイント「大黒鉱山跡」についた時は、大幅にコースタイムを超過しており、先が思いやられた。以降、ヤセ尾根、連続した梯子、300mの登り返しなど油断できない場面が何度もあったが、意外に早く「餓鬼岳山頂」に到着、遅れをかなり回復した。次のポイント「餓鬼山避難小屋」で大休止、昼食とした。ここは唐松岳から7km、祖母谷まで5kmとの道標があり、全行程の60%を歩いているが、前夜の説明ではここが中間と思え、祖母谷まで同じ時間がかかるとのことだ。既に5時間以上かかっている。急ぐのは危険だが、あまりのんびり出来ない。ここで滑落・転倒・落石などに備えてヘルメットをつけ後半に臨んだ。南越峠までは長いが比較的落ち着いた登山道が続いたが、南越峠の水場を過ぎてからは草むらが生い茂り、苔むしたゴーロ石のジグザグ急斜面の下りが始まった。緊張がゆるむとスリップ転倒する。昨夜くどく注意されたことだ。やがて南越沢出合に出た。清冽な渓流が滝のように流れている。暫くして一服・水補給の後、南越沢の左岸をヘツルように作られた登山道を下るが、沢本流は右直下20m、足元は相変わらずの幅の狭いゴーロ石の道、左側斜面の雑草の根は浅い。右側斜面も緑豊かな草むらで覆われているが、支えになりそうにない。滑落すればそのまま沢まで転がり落ちそうだ。この下りで滑落、1週間後に救出されたとの今月の遭難記事が頭をよぎる。標高差400mのこの沢筋下りは今回のコース最大の難所であった。突然危険路が終わり「唐松岳登山道入口」と記した木製ポールを見た時は、心底ホッとした。全員の顔に満足感があふれK氏の呼びかけで輪を組み、万感の思いでもろ手をあげて万歳と叫んだ。泊まりは湯治宿「祖母谷温泉」だ。先行3人組は既に到着、くつろいでいた。チェックインもそこそこ、我々もビールを注文、共に祝杯をあげた。  (記 YT)

■天気予報が悪かったので1日前倒しで28日出発の唐松岳。松本でメンバーと合流し、八方スキー場でおなじみの兎平のゴンドラ、さらにクワッド二つを乗り継ぎあっという間に八方池山荘へ。スキーのときはここからスキー板を担いで登るのだが、整備された夏道を八方池を見下ろしつつ、さらに上へ上へ、不帰嶮の岩稜が見えてきた1、2、3、要するに嶮の数で名前がついているのである。なるほどね。山荘が見え始めたときクエクエと雷鳥の鳴き声とともに二羽のひなが母を追うようについてゆく。夢中でシャッターを押した。絶景を眺めながらの山頂は来た者でないとわからない至福のひと時である。暮れなずむ山の影。「100の頂に100の感動がある」まさにその通りある。翌日は祖母谷温泉までの8時間に及ぶ山道を励ましあいながら、いたわりあいながらの下山、温泉が見えた時、ヘルメットの下の古希訓練隊仲間の笑顔は少年少女のものであったことを報告したい。天候を考慮しての前倒しの判断をされたリーダーの賢明さに感謝を。一方で都合がつかず断念を余儀なくされた仲間を思うと心が痛い。次回はご一緒に。   (記 KN)

祖母谷温泉にて