山の知識UP

5分間でわかる図郭の検索方法について

当会の山行案内書では、目的の山域・山岳の地図として昭文社地図及び国土地理院の1/25,000の地図を可能な限り併記しています。しかし、昭文社の地図は人気の山域・山岳に限られているため、全国をカバーしている国土地理院1/25,000の該当地図のみを山行案内書に記載することがあります。その際、この国土地理院1/25,000「○○」がわからない時は、どのように調べれば良いのでしょうか?

実は、「○○」は図郭(ずかく)というものなのです。図郭は、ある一定の基準で区切られた地図の範囲を指します。国土地理院のホームページから本邦の地図を閲覧すると、日本全国は大きく3つの縮尺(1/200,000、1/50,000、1/25,000)に応じた図郭で区切られカバーされていることがわかります。また、一つひとつの図郭にはそれぞれ異なる図名があります。

 そこで、ちょっとだけ今回は「5分間でわかる図郭の検索方法について」をまとめてみました。といっても以前に、国土地理院(つくば市)の担当者から教えていただいた方法です。

 

☞ 先ずパソコンの検索画面で、「国土地理院:GSI HOME PAGE」と入力し、画面が出てきたら画面上の日本列島地図のイラストマークをクリックしてください。 

先ず、Internet Explorerから画面を開き、「国土地理院:GSI HOME PAGE」と入力しEnterキーを押すと、背景画面に地図がある国土地理院のホームページ画面が表示されます。画面には、各種の情報コンテンツが表示されています。その中で、画面の左斜め下方に小さく表示されている「地理院地図を見る(縮小された日本列島の地図がある)」マークをクリックします。

 

☞ 次に、画面の上部に表示される「(歯車マークの)設定」をクリックしてください。 

画面の上部に表示されるツールバーの中から「(歯車マークの)設定」をクリックします。

 

☞ こんどは、画面の「<グリッド表示」をクリックし、「図郭」を「ON」にしましょう。

画面の上方に「<グリッド表示」というものが出てきます。その下には、「中心十字線」などのアイテムのON、OFF切り替え表示があります。ここではこれらを無視して「<グリッド表示」をクリックします。こんどは、経緯度グリッドを含む5つのアイテムが表示されます。その一番下(上から5番目)の「図郭」を「ON」にしましょう。

 

☞ 「地理院地図 例:剱岳/×××」の欄に、登りたい山域あるいは山岳名を入力します。

「図郭」をONにしたら、登りたい山域あるいは山岳名を「地理院地図 例:剱岳/×××」の欄に入力してください。仮に、ここでは「筑波山」と入力しEnterキーを押すと、検索結果11件と表示されます。この中には埼玉県熊谷市筑波といった地名つながりのものも入っています。その11件中から「筑波山」を選んでクリックすると1/25,000の縮尺の地形図が画面に表示されます。一緒に検索されたいくつかの該当地も青色フラッグで地図上に表示されます。

山域あるいは山岳名を入力しても検索がヒットせず検索0件という場合は、登山口の最寄りの駅名などを入力すると検索し易いです。

それでは、画面全体に筑波山を中心とする地形図が表示されている画面を、マウスを使って図郭を出すように縮小していきます。すると縦線、横線、図名が赤色で表示される多数の図郭が画面に表示されるようになります。青色フラッグが残っている図郭「筑波」が該当するものです。これを山行案内書に1/25,000「筑波」と記載します。

 

☞ 図郭は縮尺ごとに3色で色分けしてあります。1/25,000の図郭は赤色表示です

「地理院地図 例:剱岳/×××」の欄に、例えば筑波山が所在する「茨城県」と入力してみます。検索範囲が広くなりますので、通常1/200,000の図郭がオレンジ色で表示されます。つまり、図郭は検索範囲に応じて縮尺が変わり、それに応じて3色に色別されています。オレンジ色で表示される1/200,000の図郭であってもマウスを使って拡大していくと、やがて青色(1/50,000)に、次いで赤色(1/25,000)の順に図郭が変わります。山行案内書では赤色表示の図名を記載します。図名は、それぞれの図郭の主な地名が付けられています。

 

☞ 図郭には重複する線があります。山行案内書に複数の図名を記載することがあります。

1/25,000の図郭を表示しますと、縦線と横線が重複して記載してある範囲があります。これは異なる別の図郭が重なっていることを示しています。登りたい山が、重複する縦線と横線に囲まれている場合は、山行案内書に複数の図名を記載することになります。

山のガイドブックなどでは、出典先としての国土地理院地図を1/25,000「○○・△△」のように中ポツ記載にするものが散見されます。本来戸籍のようなものである図名をこのように表記することはなく、「○○」と「△△」の二つの図名を出版社側で略してまとめて記載したものなのです。

 

さて、今回の図郭を検索する方法はいかがでしたでしょうか。図郭の検索方法を知っておくと、山行案内書を作成するのに結構便利です。    (記 佐藤拓夫)