Dランク

八ヶ岳 阿弥陀岳南稜

《8月度会山行報告・Dランク》 八ヶ岳 阿弥陀岳南稜

日 程・2020年8月30日(日)~ 31日(月) 1泊2日

参加者・3名

コース
1日目:新検見川駅 9:50ー舟山十字路P 13:45/55…旭小屋14:40/50…広河原取付き15:00/05…舟山十字路P15:45
-P.ミートウィズ(泊)

2日目:P.ミートウィズ5:50-舟山十字路P5:00/20…広河原登山口5:50…南稜末端6:10/15…立場山7:50/55…青ナギ8:10…無名峰9:00/10…P1巻道…P2巻道…P3基部
P3ルンゼ頂部11:00/10…P4巻道…阿弥陀岳頂上11:45/12:10…中央稜分岐12:20…広河原林道終点16:00…舟山十字路P16:40 (解散)

■新型コロナの影響で半年ぶりの山行である、下見と早出の為に前泊をする事にした。
舟山十字路迄の道路もコースも想像と違っていて、下見をして正解であった。
下見の結果当初のコースを止め、ゲートから行く事にした。
登山口より無名峰迄は、眺望の無い樹林帯の中をひたすら登る事に専念する。青ナギから見えた
岩峰の迫力に正直ビビった。核心部のP3ルンゼは取付き部をクリアーすれば、手掛かりのガバも有り思った程でもなかったが50mの高度感には緊張した。12時頃に頂上に到着したが、湧き上がったガスの為眺望もなく登山者の姿も無かった。
下山の中央稜も想像以上に厳しかった、特に沢に出てからのルートファインディングには苦労の連続であった。
Yさんの事前調査とTさんのアシストに助けられ、山行を無事に終える事が出来ました。ありがとうございました。(記S)

■行動時間11時間20分、高度差1200mの阿弥陀岳バリエーションコース周回は自分の山人生で最大のイベントになった。今年の夏山はコロナ禍のためほぼ全滅、「阿弥陀岳南稜コース」は無理と思っていたが、ネット情報によれば冬期アルパイン入門コースだが、雪の無い時は数々の岩場を慎重に通過すれば中級者でも踏破可能と分かり、念のためリーダーがザイル持参、難所では援護がありそうなので、決死の思いで参加した。
入山は広河原橋まで林道歩き、その先の堰堤前で渡渉、荒れ果てた急坂を80mほど登りつめる南稜末端までが第一ピッチ、のっけから意外に手強い。案内板はないがその後は立場山、青ナギ、無名峰など迷うことの無い踏み跡を淡々と登る。青ナギから前面に見える阿弥陀岳の姿は雄大で神々しい。これから向かう峰々も見え、幾つもの険しそうなピークが天を指していた。無名峰まで1000m近く登ったため、足腰の疲れは予想以上、今回の最大難所を前にして内心ビビルが、今更引き返しなど提案できない。岩稜帯にかかると日差しも強く、疲れが倍加、何度も小休止を繰り返し、同行者を待たせながら、足元だけに神経を集中、4つの岩場をなんとかクリヤできた。
最大の難所はP3ルンゼ、取り付き2mほどが一番危険、唯一岩場に張り付いていた細いワイヤーにカラビナ、先行リーダーのお助けスリングとの二重サポートで何とか体を持ち上げた。そこから先のルンゼ上端まで50mほどは斜度も下がり、恐怖感は弱まるが岩質がもろく、何度も息を整えながら30分ほどかけて上り詰めた。
岩場での50mは無限の高度差と実感した。
下山路の中央稜も昭文社地図にも地形図にもルートが無い。山頂から300mほどは急坂ざれ道、ルートは明瞭だが、そこからは樹林帯。不鮮明なつづら折の踏み跡下りが延々と続く。案内板は全然なく、テープもなし、途中から手探りでのルート探しになり、一時は日暮れも心配したが、ネット投稿からスマホに転写した実録ルート図を頼りに現在地を確かめながらやっとの思いで林道にでた。登り6時間25分、下り4時間30分の苦闘の山行。
阿弥陀岳山頂を含め、途中の人との出会いはゼロ、完全に阿弥陀岳を独占した一日となった。 (記 Y)

P3の雄姿
P3ルンゼを登る (2)
青ナギより頂上を見る
頂上